Fluffy Audio Rinascimento レビュー(Lute 前編)


はじめに

最近ちょっと気になっていたFluffy AudioのRinascimentoを買ったのでレビューしてみたいと思います。ルネッサンスをもじっている様な名前ですが、古い楽器がいくつも収録されている音源です。

収録楽器は、

・Brass

・Flutes

・Lute

・Percussion

・Reeds

・Strings

とりあえずざっくりした感想

それぞれ、色々な古楽器が収録されていて、とりわけ Lute が豊富に収録されている印象です。こんなに Lute を入れるんだったら、Celtic Harp を収録して欲しいと真っ先に思いましたが、ハープの種類が幾つか入っているERA2 と補完し合えるのかな・・・とも思いました。

Crum Horn に関しては ERA2 以外にも Spitfire 製の音源も所有していますが、圧倒的にこっちの方がいい音をしていると思います。というか Crum Horn  のまともな音源は今の所ここだけではないでしょうか?

他にもHurdyGurdyなんかもガリガリし過ぎてない音色の物が入っていたりと、いい感じの古楽器のライブラリーが出てきてくれて嬉しいです。

ただ古楽器のライブラリーを探していて、もし ERA2 と Rinascimento のどちらかで迷っている方がいたら、ERA2 の方をまず買った方がいいと思います。

理由は、パーカッションがERA2の方が汎用性が高くて使いやすいからです。こっちのパーカッションは結構独特な質感と使い勝手なので、この音源だけでまかなうのはかなり厳しいと思われます。


今回のレビューについて

私的にはArchLuteというLuteが良さそうで、買う前から特に気になっていました。まずはLute編という事で、 Lute から紹介していこうと思います。という訳で、今回はマイクポジションやストラム機能について等を、ArchLuteを使ったデモと一緒に書いていきます。

あと、パーカッションに限らずですが、ERA2 と一緒に使う事になると思うので、ERA2 と合わせてみてどうなのか?っていう点についても、少しレビューに加えていきます。

Arch Luteの音はこんな感じです。ファンタジー風・・・なのかどうかわかりませんが(笑)適当に作ってみました。Luteなんですが、ガットギターに近い音かもしれません。closeを半分位に下げた素の状態で、デフォルトで掛かっているリバーブはカットしました。

Crypton社での取り扱いがまだという事もあり、ウェブ上にも日本語の細かい使い方とかの情報が無いので、マニュアルの覚書も兼ねて、使い方の説明も一緒に書いておこうと思います。

マイクポジションの聴き比べ

「Close」「Mid」「Far」の三種類とリバーブを調整できます。

温かみがあって、自然な感じの残響ですね。Closeを半分以下に下げてもリバーブを足さないとLuteにしてはドライな感じの音になる気がします。

Close ⇒ Mid ⇒ Far の順番で鳴らしました。

Era2のパーカッションとハープを適当に混ぜて調整したものを2週目に並べてみました。

素の状態ですが、ざっくり合わせたらこんな感じですね。薄っすら入っているタンバリンはTamb-masterを使用しました。

アーティキュレーションの聴き比べ

Luteでは主に全部で4つのアーティキュレーションがあります。中には「sustain」しかない楽器や、「strumming」が無い物もあります。

・sustain

よくある普通の単音弾きです。メロディーを弾いたり、コードやアルペジオ等を手入力(?)したりします。冒頭のデモはこれを使用しています。

・fast chords

メジャー・マイナーのトライアドのコードがなります。ストロークの速度は速いです。

・slow chords

同じくメジャー・マイナーのトライアドが鳴ります。ジャララランって感じですね。結構遅いので使い所は限られそうです。芯のある音がします。

・strumming

ジャカジャンって感じでトライアドがなります。ピック弾きというより、ラスゲアードに近い音ですね。ジャリっていう弦が擦れる音が大きめ。(バロックギターにしか付いてない。)

Strum Designer の使い方

ストラムを手軽にかつ細かく設定する機能がついています。

Input Quantize・Rate・Steps・Swing・Humanizeの機能も付いていますが、説明は多分必要ないと思いますので、それ以外の所を順を追って説明していきます。

Strummer ON / OFF について

画面右下の「Strummer On」を使うと良くあるアルペジエイターを使用してのストラムになります。Pettin Houseのストラムとかこんな感じですね。

ちなみにコードは、「ドミソ」と押さえるとCメジャーと認識してCのトライアドがなります。鍵盤の「ドミソ」をオクターブ上げてみたり展開形にしても音は変わったりしません。後述する「notes」「Instrument」の所で若干コードの中身をいじることが出来ます。

出せるコードは、メジャーとマイナーのトライアド限定のようで、例えば「シレファ」と入れてもハーフディミニッシュなので音は出ません。

これを「OFF」にしている場合は、指定したコードをキースイッチでアップストローク・ダウンストロークを鳴らす事が出来ます。

隣にある「Note On」を「Note Off」設定すると、Cを弾いてねって事で入力した「ドミソ」の音がストラムとは別になってしまわないようにする時に使います。

キースイッチの方だけでいいんじゃない・・・? と一瞬思いましたが、プリセットが幾つか入っていて、独自のストロークパターンが入っています。何か新しいパターンが欲しい時はこっちを参考にしてみてね!って事ですかね。「Preset」の項で説明します。

Notes・Speed・Acceleration・Decay

ここが Fluffy Audio の(多分)こだわった所だと思います。ストラムの鳴らす弦の数や、ストラムのスピード、各弦の音の大きさ等をコントロール出来ます。

上の図だと縦の線が四つ並んでいますが、これはストラムを

・4つの弦をならす

・均等の大きさでならす

・ストラムは16分音符の1/4位の長さで、ちょっとずつスピードが上がっている状態です。

各パラメーターの使い方は

Notes

これをあげると鳴らす弦の数を「4本 ⇒ 6本」といった感じに変更できます。最大で6本、最小で2本です。ルートと5度の時とルートと3度の時があります。

Speed

ストラムのスピードですね。早いとジャンッという風に、遅くするとジャラララ・・・って感じになります。先程アーティキュレーションで出てきた Slow Chord と Fast Chord の中間位の早さのストラムを作ったり、もっと遅くするとアルペジオになります。

Fast chord ⇒ Speedをエディットした中間の速さ ⇒ Slow Chord で並べました。

楽器によってはスピードの変化の具合が違ったり、コードが変わるとスピードの変化が変わったり、と今後のアップデートで修正されるかわかりませんが、う~ん・・・となる時もあります。

Acceleration

均等の速さでストラムを行う(上)か、ストラムのスピードを段々早くする(下)のように設定できます。聴いた感じあんまり変わりません。若干早く(遅く)なってるんでしょうけど。

それにしてもリバーブみたいな見た目ですね(笑)

Decay

上のAccelerationの図のように、ストラムで弾いた弦の音の大きさが少しづつ小さく(大きく)する事が出来ます。

これがかなり重要で、Arch Lute のストラムはコードによっては低音がかなり出るので、低音弦のボリュームを小さくしたくなるのですが、ダウンストロークで低音源を下げると、逆にアップストロークで低音側の音が大きくなるというジレンマを抱えています。

Preset

ストラムのパターンには幾つかのプリセットが用意されています。アルペジオ(ストラムのスピードを8分音符等にしてアルペジオにしている)やOstinato、Tuplet Virtuosoといった聞きなれないパターンもあります。それらを更に調整したりすることも出来ます。

どんな感じかちょっと鳴らしてみます。(画像の順番どおりに鳴らしています。)

Instrument

デフォルトでは各楽器のコードが一番綺麗に響く音域が設定されているようですが、それ以外の音域でコードを鳴らしたいっていう場合は、ここで違う楽器を選択します。

そうすると、楽器は元のままだけどデフォルトの状態より上(又は下)の音域でのコードをストラムで使用する事が出来ます。

ストラム機能をざっと触ってみて・・・

実際に作った曲中で、この機能の音でしっくり来ない時は結構ありそうですね。Cはいい感じに響くけどBbが微妙だったり・・・、Cは弦5個のストラムがいい音で、Bbは弦4個の音がいい音だったりと、割と使いづらい時もありそうです。トラックを分けたり、CCにアサインしてもいいですが、潔く手打ちで作ったほうが早いかもしれません。

上手くハマったらラッキーって感じですかね。まぁ総合音源ですし。

という感じで、Lute の説明は大体こんな感じです。後編では、Arch Lute 以外の Lute の音を紹介していきます。